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Swiss EphemerisとNASA:プロの占星術師はホロスコープをどう計算しているのか

本格的な占星術の裏側には、NASAレベルの数学があります。その仕組みをひもといてみましょう

Swiss EphemerisとNASA:プロの占星術師はホロスコープをどう計算しているのか

プロの占星術の計算を支えているもの

多くの人にとって占星術といえば、雑誌のレシピページとクロスワードの間にある星占いコーナーかもしれません。けれども本格的な占星術の裏側には、まったく別の世界があります。宇宙機関と同じデータを使った、精密な天文計算です。

プロの占星術師があなたのネイタルチャートを作るとき、惑星の位置を「なんとなく」決めているわけではありません。エフェメリス(天体暦)と呼ばれる、天体の正確な座標をまとめた表から位置を求めています。そして、このエフェメリスの質がチャートの正確さを左右します。

たとえば、ある計算ツールでは「金星は牡牛座15度」、より精度の高いツールでは「金星は牡牛座14度58分」と出たとします。ほんのわずかな差に見えますが、この2分の違いで、金星がほかの惑星とアスペクトを作るかどうかが変わることがあります。そうなると、読み解きの内容もまったく違ってきます。

エフェメリスとは?なぜ重要なのか

エフェメリス(ギリシャ語で「日々の」を意味する「エフェメロス」に由来)は、太陽、月、惑星などの天体が、それぞれの時点で正確にどこにあるかを示した表です。

占星術では、次のような場面でエフェメリスが欠かせません。

  • ネイタルチャートの作成:あなたが生まれた瞬間に、それぞれの惑星がどこにあったかを知るため
  • トランジットの計算:いま惑星がどこにあり、あなたのチャートとどう関わっているかを知るため
  • シナストリー(相性):2人の惑星の正確な位置によって、チャート同士のアスペクトが決まります
  • エレクショナル占星術:大切な出来事を始めるのに適した日を選ぶため

問題は、エフェメリスにも品質の差があることです。「良いもの」と「悪いもの」の違いは、GPSナビと手描きの地図ほどの差があります。

Swiss Ephemeris:精度の「ゴールドスタンダード」

Swiss Ephemerisは、スイスのAstrodienst社(1980年に占星術家アロイス・トラインドルが設立)が開発した天文計算ライブラリです。占星術ソフトウェアの世界では、事実上の標準として信頼されています。

Swiss Ephemerisが高く評価される理由

  • NASA JPLのDE441データ:Swiss Ephemerisは、NASAジェット推進研究所のDE440/DE441ファミリー(2021年公開)のエフェメリスにもとづいています。JPLは現在の探査機の航行にDE440を使っており(火星探査も含みます)、DE441は同じ解をより長い期間に広げた版です
  • 角度1秒単位の精度:角度の1秒は、4キロ先にある硬貨の幅ほどの大きさです。Swiss Ephemeris自体とJPLの元データとの差は約0.001秒角で、この精度がアスペクトを正しく計算するうえで欠かせません
  • 約30,000年分の範囲:紀元前13201年から西暦17191年までをカバーしており、この範囲内ならどの時点のチャートでも計算できます
  • オープンソース:AGPLまたは商用ライセンスで提供され、世界中の数百もの占星術ソフトで使われています

計算の対象となる天体

Swiss Ephemerisは、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の位置に加え、ノード(ドラゴンヘッド・テイル)、キロン、リリスなどの位置も計算します。

ネイタルチャートを作成して、占星術の精度を確かめてみましょう

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NASA JPL DE441:データはどこから来るのか

JPLはJet Propulsion Laboratory(ジェット推進研究所)の略で、カリフォルニア州パサデナにあるNASAの研究施設です。ここで作られたエフェメリスが、宇宙飛行にも占星術の計算にも使われています。

2021年公開のDE440/DE441

DE441(Development Ephemeris 441)は、2021年にDE440と同時に公開された、長期間をカバーするJPLのエフェメリスです。DE440/DE441ファミリーでは、次のような要素が考慮されています。

  • 太陽系の主要な天体すべての重力の影響
  • アインシュタインの相対性理論にもとづく補正
  • レーダー観測や宇宙探査ミッションのデータ
  • 340を超える小惑星の影響

ちなみに、NASAが探査機をほかの惑星へ送るときも、その軌道はJPLのエフェメリス(現在はDE440)で計算されています。もしデータが不正確なら、探査機は目的地から何千キロもずれてしまうでしょう。

計算の精度があなたにとって大切な理由

ふつうの人が角度の秒単位まで気にする必要があるのでしょうか。その大切さがわかる具体例を見てみましょう。

例1:アセンダント

アセンダントは平均して2時間ごとに星座が切り替わります(実際には星座や緯度によって、約1時間から3時間以上まで幅があります)。星座の境目に近い場合、わずか5分の誤差でアセンダントが変わり、12のハウスの配置がまるごと違ってしまうことがあります。

例2:アスペクト

火星と土星のスクエアがオーブ0.5度で成立していれば、とても強い影響をもつ配置です。ところが計算ツールが1度ずれていると、オーブ1.5度(影響はかなり弱まる)と表示されたり、アスペクトそのものを見落としたりします。

例3:トランジット

トランジットの正確な開始日と終了日によって、影響がもっとも強まる時期がわかります。数日の誤差があるだけで、予測全体の流れがずれてしまいます。

MystarXでは、すべての計算にNASA JPL DE441データを用いたSwiss Ephemerisを使っています。あなたのネイタルチャートは、経験30年のプロの占星術師が使うのと同じ精度で計算されます。

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Swiss Ephemerisとほかの計算ツールの違い

占星術の計算ツールはどれも同じというわけではありません。よくある違いは次のとおりです。

プロ仕様(Swiss Ephemeris)

  • 精度:角度の秒単位
  • データ:NASA JPL DE441
  • 全惑星に加えてキロン、リリス、ノード(ドラゴンヘッド・テイル)
  • 複数のハウスシステムに対応
  • タイムゾーンを正しく処理

シンプルなオンライン計算ツール

  • 精度:1〜3度ずれることもある
  • データ:簡略化された計算式
  • 主要な惑星だけの場合が多い
  • ハウスシステムは1種類のみ(ないことも)
  • タイムゾーンの扱いを誤ることがある

その違いは、プロ仕様のGPSと方位磁石ほどです。どちらも方向は示してくれますが、片方は玄関先まで案内してくれるのに対し、もう片方は「だいたいあっちのほう」までしか教えてくれません。

よくある質問

Swiss Ephemerisは、Astrodienst社が開発した天文学・占星術の計算用のプロ向けライブラリです。NASA JPLのDE441データを使っており、精度の面で「ゴールドスタンダード」とされています。
NASA自体は占星術を行っていません。ただ、NASA JPLが宇宙探査のために作成したエフェメリス(惑星の位置表)はもっとも正確なものの一つで、占星術ソフトがチャートを計算する際にも使われています。
精度は角度1秒のレベルに達します。これは4キロ先にある硬貨の幅ほどの大きさです。占星術の計算には十分すぎるほどの精度です。
同じではありません。シンプルな計算ツールの多くは簡略化された計算式を使っており、1〜3度ずれることがあります。MystarXはSwiss Ephemerisを使い、プロと同じ精度で計算しています。
はい、大きく影響します。1〜2度の誤差でアセンダントが変わったり、アスペクトがずれたりして、読み解き全体が不正確になることがあります。精度の高いエフェメリスは、質の高い占星術の土台です。

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